親が老人ホーム入所後空き家になる実家を売る時に関する特例の注意点とは

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空き家の管理方法
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老人ホームと空き家



かつて元気だった親がケガや病気を機に体が弱ってしまい、老人ホームに入るケースは多いです。

また、近年は「将来子どもに面倒をかけたくないから」という理由で、自ら老人ホームへ入所することを希望する親もいます。

その際問題となりやすいのが、空き家となる実家です。


「親は老人ホームに入るし、空き家を管理するのも面倒だから売ろう」と考える人もいるでしょう。


その際、利用できるお得な制度が居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除ですが、売るタイミングを間違えると適用外となってしまう可能性があるんです!


 

空き家になる実家は老人ホーム入所前に売却しよう


居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、マイホームを売った人に譲渡所得(利益)が発生した場合、3,000万円まで控除すると認められた制度です。


「相続した実家を売って利益があると、3,000万円まで控除してもらえるなんてラッキー!」と思いますよね。

ですが、この居住用財産の特別控除を受けるには、以下の要件に当てはまらなければなりません。

 

   自分(家の所有者)が住んでいる家か、家+敷地(または借地権)を売ること

※以前住んでいた家を売る場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の年の1231日までに売ること。

   売却した年の前年と前々年に同じ特例か、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと

   家を売った年と前年・前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと

   売却した家・敷地が収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと

   災害によって失った家を売る場合は、その家に住まなくなった日から3年を経過する日の年の1231日までに売ること

   家や敷地を売った相手が、親子・夫婦などでないこと

 

上記6つの要件のうち、①は特に重要です。

仮に親が老人ホームに入所した後でも売ることはできますが、その期日を過ぎてしまうと適用外となってしまいます。


例えば、2017915日に親が老人ホームに入所した場合、3年を経過する日の年=2020年の1231日までに実家を売らないと、控除を受けることはできません。


 

空き家になる前の実家を売る時に適用できるもう一つのお得な制度


先ほどは、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除についてご紹介しましたが、実は空き家になる前の実家を売る時に適用できるお得な制度がもう一つあるんです!

それがマイホームを売ったときの軽減税率の特例(10年超所有軽減税率の特例)です。

 

マイホームを売ったときの軽減税率の特例とは、家や敷地が売った時点で10年を超えている場合、6,000万円までの利益にかかる税金の割合を低くすることができる制度です。


なお、似たような特例では短期譲渡所得と長期譲渡所得がありますが、マイホームを売ったときの軽減税率の特例と比べると以下のように違います。

 

・短期譲渡所得(売却した不動産の所有期間が5年以下)…課税率39.63

・長期譲渡所得(売却した不動産の所有期間が5年超)…課税率20.315

・マイホームを売ったときの軽減税率の特例(売却した不動産の所有期間が10年超)…課税率14.21

※利益が6,000万円以上ある時は、6,000万円までの部分に対して14.21%を、6,000万円を超える部分には20.315%を課税

 

この2つの制度は併用可能なので、ぜひマイホームを売ったときの軽減税率の特例もチェックしておきましょう!


 

親が老人ホームに入所してから空き家となった実家を売るとどうなる?


これまでご紹介した2つの制度は、どっちも実家を売るうえでお得な制度です。

ところが、親が老人ホーム入所後に空き家となる実家を売った場合、どっちの制度も受けることができません!


なぜなら、この2つの制度は親の生活拠点が自宅である場合のみに適用されるからです。

老人ホームに入所すると、生活拠点が自宅から移ったとみなされ、対象外となります。

 

ここで、「それなら、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除を受けられるのでは?」と思った人もいるかもしれません。

過去の記事でもご紹介したように、近年増え続ける空き家を少しでも減らす対策の一つとして、国は空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除という制度を作りました。

 

関連記事:空き家の家屋と敷地について 売却前に要確認!特例措置を知っていますか?

 

しかし、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の要件の中に、『相続開始直前に、被相続人(不動産を譲る人)が住んでいた家であること』というものがあります。


被相続人である親が亡くなって空き家を相続した時、既に親の生活拠点が老人ホームである場合はこの要件に当てはまりません。

つまり、親が老人ホーム入所後に実家を売っても、どの特例も受けられず高い税金を納めることになってしまうのです。


 

まとめ


高齢化社会が進む現代では、終の棲家(すみか)が自宅ではなく老人ホームとなる方も珍しくありません。

せっかくのお得な制度をしっかり受けるためにも、将来親が老人ホームに入所する可能性がある場合は、入所前に家族できちんと話し合って売却計画を立てましょう。

 

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